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記事: EDITION88×東京幻想 インタビュー 第1弾

インタビュー

EDITION88×東京幻想 インタビュー 第1弾

ー今日は新作版画の色校正、版画のサイン入れでお時間をいただきました。
今回の最新作についてお話しをお聞かせください。
最新作「上野駅幻想ひまわり」のモチーフ・テーマはどうやって決まったのでしょうか?

東京幻想:今回はマルイさんより、ゴッホ展とのコラボの企画ご提案があったので、ゴッホといえば「ひまわり」じゃないのかなと思い決めました。
上野の作品(上野駅幻想)は過去に1枚あって、ちょうどその絵にマルイさんも入っていて、上野の駅前の風景もちゃんと入っていたので、(その絵を)ひまわり畑にしたら結構インパクトがあるかなと考えました。ひまわりとか花、植物をアップで描くことは今まであまりなかったので、自分としては、すごくチャレンジングでよかったかなと思います。
面白かったです。

-今回の絵の見どころといったら、やっぱり大きく描かれたひまわりですか?

東京幻想青い空と、ひまわりの黄色と、そのコントラストがこれ以上無いかなって感じ。さわやかな緑がよかったかなと思います。

-1番最初に描かれたのは「渋谷109幻想」とお聞きしました。
最初に渋谷の風景を選んだのは何か理由があるのでしょうか?
 
東京幻想僕の中では、東京といえば渋谷の街が最初に浮かんできます。一番馴染みのある場所でした。若い頃からそれこそ高校生くらいの時とか思春期の時はこういう所が東京っていうイメージでしたね。勇気を出して買い物に行ってみたり、映画館もあるしね。そういう一番思い出のある場所はやっぱり今でも渋谷かな、って感じがしますね。
あと、特に渋谷は景観が変わりやすいじゃないですか。だからもうあの頃の思い出の場所は無くなって、次から次に変わっていくから、絵として留めておきたいって気持ちはありますね。もう既に109のロゴも変わっているし。
そんな感じで一番思い入れのある場所で、ここからスタートって感じですかね!
この時点で東京幻想作品のほとんどの要素があって、水もあるし滝もあるし。僕のオリジナルな要素が集約されている感じがありますね。
-累計で今まで何作品くらい描かれていますか?
 
東京幻想ちょっと覚えてないですね……() 画集のあとに発表した作品も入れたら、100枚以上はあるかな?
 
-ではその中でお気に入りの1枚はありますか?
 
東京幻想画集の表紙になった絵(新宿南口幻想)は、地面の下の世界というのをどのように表現しようかなって悩んでいたのだけど、この作品でうまく表現できたのではと思います。気づかないところというか、普通に生活していたら気づかないところを表現できた感じ。
(外の渋谷の風景を見ながら)こうやってみると、向こうのビルって全部の階が見えるじゃないですか。自分たちの上にも下にも人がいて歩いているようなことって、当たり前のことだけど日常ではあまり気づかないことなのかと思います。
 
-本格的に絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
 
>大学の在学中くらいには油絵を描き始めていました。
卒業してどうしようかと考えた時に本格的に絵の塾に通い出しました。挫折も色々経験しながら、油絵やデッサンとかもやっていましたね。こういう画風になったのはアニメの世界に入ってからですね。
 
-小さい頃とかはアニメ等よく触れていたのでしょうか?
 
東京幻想普通の一般的な感じで、「ドラゴンボール」とか見ていたり、ファミコンもちょっとやっていたけど、特別のめりこんでた訳ではなくて。絵を描くのは小さい頃からなんとなく好きでしたね。

-作品にはラフとか下絵とかはあるのでしょうか?
最初に鉛筆で描いたりとかは……?
 
東京幻想そういうのはないですね。
 
-描きながら仕上げていく感じでしょうか?
 
東京幻想写真をまず撮ってきて、描きながらこれは夜の方がいいかなとか、昼のほうがいいかなとか、雲の感じは夏だったら入道雲が良いとか() 描きながら変っていくって感じです。
 
-そうなのですね。描く時に建物から描くとか、空から描くとか決まっていますか?
 
東京幻想そういうのはなくて全体的に少しずつ描いていく感じですね。
基本的には建物を写実的に現実の世界を描いてみる。そこから壊したり、緑を生やしたりとか。それに合わせて光はどっち側からが良いかなとか。デジタルの絵の描き方としてはそれが多いかなとは思いますね。
 
-油絵の進め方に似ていますね。
 
東京幻想そうですね。最初からは決まっていない感じですね。こうしようと思ってそれに向かっていくのだけど、その途中で色々変化します。

-デジタルで描かれていますが、手描きでは表現できない、デジタルアートの魅力を教えてください。
 
東京幻想光の表現かな、透明感だったり。その絵を昼から夜に変えたりとか、あとで加筆してみたり、そういうのはデジタルだと自由ですよね。データが積み重なって残っていくので、表現というよりは作画自体が大きくかわったのかなと思います。
 
-制作の際は音楽を聴いたりしますか?環境によって絵が変わったりしますか?
 

東京幻想:(音楽は)なんでも聴くし、ラジオとかYou tubeとかでお話ししているのとか流しながら。それによって絵柄が変わることはないかな。なるべく心地いい環境音にはしようと思っていますね。

-東京幻想さんが作品を描くうえで大切にしていることはありますか?

東京幻想まずはみんなの知っている風景を描くこと。なるべく多くの人の共感を得たい、みんなが知ってる風景を描きたい。あとは不快にならないよう、美しくありたいと心がけています。

-人それぞれに思い入れのある場所はありますものね。そういう理由で版画を購入されるお客様が多いです。
 
東京幻想そう。作品を見て「わぁ!」と笑ってもらえるのが本当は一番嬉しい。こんな風になっちゃってる!みたいな感じで。大人も、子どももね。結構小さい子も見てくれて楽しんでくれるんだけど。
最近、震災で水がどこまでくるとか科学的な見解ありますよね、そのような事は考えないようにしています。シミュレーションみたいなのにはならないようにしています。現実にはしたくないというか。遊びのわがままというか、自分の願望を詰め込んでいるから、光の方向だって全然違う絵もあるし。滝も、こんな水どこからくるのとか() ここにありたい!みたいな。そこは想像でといったイメージです。

-今後の先生の作品がとても楽しみです。
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

撮影場所:渋谷スカイ(SHIBUYA SKY)/TSUTAYA BOOK STORE 渋谷スクランブルスクエア

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