EDITION88×東京幻想 インタビュー 第2弾
第2弾は、数ある作品から5点ピックアップして、絵のポイント・見どころを教えていただきました!
「渋谷109幻想」について
東京幻想:1番最初に描いた場所で、僕の全てが集約されたような作品になっています。
水があって、緑が茂っていて、(作品を指差しながら)こんなところから滝も出ていて。
-廃墟化された街並みで、未来の希望のように花が咲いているのは最初からイメージがあるのでしょうか? それとも描き進めていき、ここに花があった方が良いと思ったから描いたのでしょうか?
東京幻想:そうそう。あとから花がこうなった方がいいなと。
画集でも言っているけれど、渋谷109幻想にはアンコールワットのイメージもあって。
「新宿南口幻想」について
東京幻想:この作品で、自分は一段階レベルアップしたなと思っています。
-最初から地下も描こうと思っていたのでしょうか? それとも描いているうちに?
東京幻想:描いているうちにですね。
最初アスファルトに覆われているから、海とか田んぼとかにしようかなと思っていたのですが、そういえば地下に……と思いついて、壊して開けてみたという感じです。実際こういった風景は見えないから、こういうのはGoogleのマップとかで見ながら。マップだと入れるし、上から地図で見るとこう、走っている路線が見えるから丁度ここのあたりにあるかなと思って。実際に見にいったりもして、嘘もつきつつ、絵だからね。ここのあたりも椅子はないけど、いいや!って(笑)
あとは、(この絵の後に描かれる作品に)イルカが出てきたりだとかはこの絵がきっかけです。
「横浜みなとみらい幻想」について
東京幻想:東京の風景を多く描いているけれど、横浜にずっと住んでいるので横浜は好きですね。この「みなとみらい」が大好きで、それはもう描かなきゃなと思って描きました。
今ここに新しくゴンドラが走っているでしょ? それもまた今度描かなきゃなと。
-ピンク色が強いのはなぜですか?他の作品とはまた色合いが違う気がしますが。
東京幻想:そうですね、結構違いますね。ネットで見かける美しい風景の写真とか、海外のアート系SNSとかの画像は見ていて、色の組み合わせは自分の中でストックしています。
「東京駅幻想2021」について
東京幻想:東京駅は今まで何作品か描いています。東京幻想としては描かなきゃいけないモチーフだなと考えています。何パターンかあるのですが、これは今年の5月に丸善(丸の内本店)さんで展示用に描いた作品です。きのこは前から描きたいと思っていたモチーフのひとつです。全然今まで出てこなかったんですけどね。ベニテングタケの色合いとか好きですね。
どこかでそういう絵を描きたいという自分のストックがあって作品にしました。
「歌舞伎町幻想」について
東京幻想:新宿でイベントがあったのでそのために描きました。新宿は相当な枚数を描いているので、残すところは歌舞伎町だけかなと。
歌舞伎町を描こうと思って、写真は何回も撮りに行っていたのですが、ずっと悩んでいたんですよ、10年近くかな。絵が全然面白くならなくて。
歌舞伎町っていう街自体は元々クセが強いじゃないですか?これをどうやっても、面白くないって悩んでいたんです。構図もシンメトリーで絵になりづらいという感じで。でもここじゃなきゃやっぱりダメだった。この看板が印象的なので。
イベント開催時期の季節が春だったので、桜が満開のこれ以上ない春を描いてみようって考えました。桜の綺麗な絵はイラストいっぱい出ているから、そういうのもすごく見ていて、それ以上の作品にしようと思っていました。(笑)
-虎がいますけど、この虎は……?
東京幻想:新宿タイガーさんっているでしょ?それと酒を呑んだら虎になるっていうじゃないですか。虎が酔っ払って寝ているイメージ。大虎。一番歌舞伎町に似合うかと。今回はそういう要素もいれてみました。
-それではもう新宿は描き尽くしたと思いますか?
東京幻想:そう……いやまだあるよね、たぶん。まだまだあるね。御苑の方とか、西口の方とか。
-様々な角度で映し出される幻想の世界は、これからも見逃せないですね!
今回もとても貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
撮影場所:渋谷スカイ(SHIBUYA SKY)/ TSUTAYA BOOK STORE 渋谷スクランブルスクエア