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記事: EDITION88×くまくら珠美 インタビュー 第2弾

くまくら珠美

EDITION88×くまくら珠美 インタビュー 第2弾

第2弾お待たせしました!!第1弾に続き、くまくら先生の新作絵本2冊「そらのきっさてん」「ほしのこんぺいとうハンター」(共に理論社)を中心に、イラストの描き方や過去のエピソードについてもインタビューをさせていただきました。

1つの作品にどのくらい制作時間がかかりますか?

くまくら珠美(以下くまくら)一枚ものの場合だと、描いて休んで描いてを繰り返して完成させていきます。
書籍などのこれ(『ほしのこんぺいとうハンター』)はデータで描いているので、データは消したり描いたりできますが、アナログ水彩の方(『そらのきっさてん』)は一発勝負じゃないですけど、失敗したらまた描き直しになるので、わりと時間はかかります。
一枚ものの絵画作品でも後から修正して修復できるようであれば、そのままいきますけど、そうもいかない時もあるので、救済作業と私は呼んでいますが…救済できない時は、一から描き直しています。

作品(描き方)によって制作時間も変わりますよね

くまくら変わりますね。2~3時間の時もあるし、描き直しも含めて10時間くらいかかる時もあります。

ポストカードサイズくらいの紙に、かなり早いスピードで描き上げている姿をSNSで拝見しました。

くまくらあれはもうインスピレーションでバーッと描いてしまっているんですけど、条件によって絵も変わりますね。

絵を描くときに普段から気をつけていることは何かありますか?

くまくら絵本に関してだと、話の流れを壊さないように、それともう1つスパイスが入っていればいいかなと思って描いています。
例えば「ほしのこんぺいとうハンター」でいうと、『ハリーくん』がいい味を出してもらっていて、この子にわりと動いてもらったりしています。ハリーくんが登場するたびに癒されています。笑

 ニューヨーク時代の絵のお話についてあれば教えてください。

くまくらその頃は猫又指南を描いていたので、それをもって海外に行って連載を続けていました。
絵はアクリルで描いたりもしてたんですけど、学校には行かず、アートスクールに行こうとしていたんですが、入れなかったんです。
美術をやりたい人には誰にでも開かれる門戸、と歌っていた学校だったのに、「ちゃんとした美術大学の教育を最初に受けていないと入学できませんよ」と当時の留学生アドバイザーに言われて、ちょっと運が悪かったんですよね。過去と現在で、使用している画材は変わりましたか?

くまくら変わりましたね。透明水彩はあまり好きじゃなくて、使ってなかったんですよ。
ニューヨークに行ってた時はアクリルを使ったり、漫画に関しては、鉛筆とステッドラーのペンで描いて、着彩はコンピューターでやっていました。
帰国後もアクリルとかオイルパステル中心で、透明水彩は全く使っていなく、(当時は)なんか駄目だったんですよね。
最近は80~90%が透明水彩ですね。

ご自身の制作上のターニングポイントがあれば教えてください。

くまくら時々知り合いの先生の所に、水彩画を習いに行くんですけど、竹下佳江先生という方で、そこで改めて透明水彩の面白さに気づきました。
透明水彩の道具は、デザイン学校の時から持ってはいたので、知ってはいたのですが、日常的に使うようになったきっかけはそれかな。

猫を描いていて新たに発見したことはありますか?

くまくら小さい時って平面的に描いているじゃないですか。猫が立体なんだって気づいたのが、ごく最近かもしれないですね。「ここに影をつけていいんだ」的な。
なので、日々進化というか変わってはきています。それが気づきですかね。普段愛用している画材を教えてください。

くまくら透明水彩の「ホルべイン」と「シュミンケホラダム」と「マッチ絵具」とか、「マイメリブルー」という絵具があって、それを中心によく使っています。絵本の制作のプロセスを教えていただけますか?

くまくら最初に思いついたものをドラフトとして文章を起こして、書いたものを編集者さんに投げて、編集者さんの方も編集してくれている立場から意思をもっているので、そこで「こうじゃない、これはいい、この言い方がちょっと…」みたいな感じでキャッチボールをしていきます。
そのやり取りが常に行われていて、最後に入稿が終わってからも続きます。

入稿が終わった段階でも!?

くまくらファイナルとは言っているんですけど「ここ実は気になっていたんです。」と(編集者さんに)言われることもあるし、私が全体的に気になっていて色校が上がってみたら、やっぱりここは違うんじゃないかというパターンもあって、そういうやり取りが最初から最後まであります。
その間に絵を描いていって、それを見せて直したりする作業が長い間続きます。
私が文章を書かない場合は、最初に文章と割付をいただいて、そこからラフを描いて見せて、わりと好き勝手やらせてもらうので、割付内での絵の配置も自分で決めています。
時々お話についても「ここはちょっと違うんじゃないか」と提案させてもらうこともあります。

お好きな色はありますか?

くまくら白と青ですね。
どの色も可愛くて好きで、グレーも好きですが、どれか一つしか使えないということであれば白ですかね。一つだけならやっぱり墨ですかね。

『ほしのこんぺいとうハンター』の表紙の青は、とても綺麗で映えるなと思いました。

くまくらありがとうございます。
『そらのきっさてん』の背景の色は最初黄色にしていたんですけど、編集者の方から「やっぱり青がいいんじゃない?」と言われて青にしました。

そうだったんですね、こちらの青は爽やかな青ですよね。

デジタルとアナログの表現の違いについて教えてください。

くまくら道具としては同じですね。
ただデジタルの場合は便利ですよね。便利なのでやり直してしまったり、違う邪念が入ってしまうと変なことをしてしまったりするんですけど。
アナログとデジタルどちらも良いですが、1点ものやアート性を考えたら、手描きの水彩やアクリルになるかと思います。

アナログの方が多いですか?

くまくら今はそうですね。デジタルは滅多に使わないです。
でも寝る前に布団に入ってiPadを持ち込んで、寝ながらおやすみの絵を描いたりはしてますけど。本当に落描き程度で。
 

寝ながらも描いてるなんてすごいですね! 

今後どんなことをしていきたいか、どんな作品を発表していきたいかなど展望があれば教えてください。

くまくらこれからも何冊かコンスタントに(絵本を)出していきたいなと思っています。
最低一年に1冊は。何歳まで生きられるかわからないですけど、いくら自分が描いても出版社さんから「出しますよ」って言ってもらえないと出せるものじゃないので、そういう意味では、今良いお付き合いをしている方々とは長くやっていきたいですし、人間関係をちゃんとしていく中で、今後もきちんと自分の言いたいこと、表現したいことを絵本や漫画にしていきたいと思います。

これからもくまくら先生の描く絵本や作品が見れることを楽しみにしています。
お忙しい中、本日は貴重なお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました!

 

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第1弾はこちら

撮影場所:月光荘サロン 月のはなれ

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